皆さんこんにちは。DANです。
今日のブログはベントス食性の海水魚。
ミズタマハゼです。
ミズタマハゼはいろんなショップやネット通販で入手することが出来ます。
それだけポピュラーな種で、
飼いやすいイメージのある魚です。
その顔も愛嬌のある顔をしており、
性格もおとなしくて水槽のある意味主役になれる魚です。
しかし、意外と早い段階で失敗してしまった。
という話も聞くので、
今日はそのミズタマハゼについてブログにしていきたいと思います。
Contents
1 ミズタマハゼの基本情報(餌・大きさ)とその生息地について
ミズタマハゼを飼育するにあたり、
適した濾過システムや水槽の大きさについて書いていきます。
まずミズタマハゼは、
スズキ目 ・ハゼ科・ クロイトハゼ属
の魚で、
この世界地図の赤い丸印のあたりである
和歌山県串本 琉球列島、台湾、インド・西太平洋
の大半を陸地に囲まれた穏やかな場所に生息しています。
水深10メートルより浅い場所に多く、
内湾の礫の混ざっている砂底や砂泥底にペアでよくいるのが目撃されます。
ベントス食性で、底砂に交じった有機物や苔などを攪拌しながら食べてくれます。
水槽内ではいつも底砂を口に入れてはパクパクしながら、
エラから有機物を除去した砂を吐き出しています。
ただ、必ず砂の中の有機物しか食べないわけではなく、
人口餌も食べるようになります。
ショップで購入できるミズタマハゼは大きさ5センチぐらいから10センチぐらいの間ですが、
自然界では、16センチぐらいの中型ぐらいまで育つようです。
2 ミズタマハゼの特徴
ミズタマハゼの見た目の特徴は、
まず背びれの先端が黒くなっていることです。
そして、頬からエラにかけて青色の斑点がついているのが特徴です。
結構おっとりした性格なのか、
空気をあまり読まないのか普段から周りをあまり気にすることなく底砂を食べては吐いて食べては吐いてとしています。
うまく餌付けが出来ない場合には、
ミズタマハゼが通る場所の底砂の中に人口餌を埋めてやるなどの方法をとると餌付けが簡単にできる場合があります。
3 ミズタマハゼの飼育に適した濾過システムと水槽の大きさ
ミズタマハゼに適した水槽の大きさですが、
概ね45cm以上の水槽が望ましいとおもいます。
しかし、30㎝水槽では飼育できないわけではなく、
飼育の為に餌やりの方法やライブロックの岩組等をしっかり考えないといけません。
ベントス食性なので、サンゴ砂があまり出ていないようなレイアウトにすると、
底砂の有機物を摂取できなくなるからです。
次に濾過システムについてですが、
これは、底面濾過以外の濾過システムなら何でも大丈夫だと思います。
何故底面濾過がダメかというと、
底面濾過では、あまり細かい底砂(サンゴ砂)を使うことが出来ないので、
ミズタマハゼが底砂から有機物の摂取をできなくなるからです。
自分は試したことはありませんが、
底面濾過フィルターをかなり細かいネットなどで覆って、
サンゴ砂を吸い込まないような処置をした底面濾過であれば、
飼育は可能かもしれません。
4 必要な飼育環境
ミズタマハゼの飼育に必要な飼育環境は、
水槽と濾過は当然ですが、
冬場の低水温対策にヒーター、
夏場の高温対策にクーラーがあった方が飼育は簡単です。
底砂を引かないベアタンクでも飼育は可能だと思いますが、
自然界の生活環境に照らすと、
なるべく細かい底砂を強いてあげた方が望ましいように思います。
水流ポンプについては、
無くても飼育は可能ですが、
ある程度の水流はあった方が水槽全体の調子がよくなります。
そして、以外と忘れがちで必ずあった方がいいと思われる設備は、
水槽の蓋
です。
これは、ハゼ系は意外と飛び出し事故が多いので、
その事故を防ぐためにも蓋はしておいた方が間違いないと思います。
5 混泳について
同種同士
同種同士の混泳はペア以外はNGです。
これはハゼなどの底モノの魚全般に言える事ですが、
同種同士は縄張りら争いをするので、
お勧めできません。
もし、他のハゼと混泳させる場合には、
最低でも90㎝以上の水槽にしないと、ケンカします。
多種の魚
ハゼを食べるような肉食性の魚以外であれば、
基本的に混泳可能です。
自然界でも魚の住んでいる階層が違う魚同士があまり争わないのと同じ原理です。
サンゴとの混泳
サンゴとの混泳は可能です。
自然界でもサンゴ礁に生息しているので問題なく飼育できます。
6 飼育難易度(水質や水温)
ミズタマハゼの飼育難易度は、
海水魚の中で考えると飼育は容易です。
飼育が容易といわれるのは、
サンゴ等が飼育できない硝酸塩濃度でも飼育することが可能だからです。
だからと言って、硝酸塩濃度が高いままで良いという訳ではなく、
定期的に硝酸塩を輩出できるように水替え等を行う必要があります。
魚飼育の場合には、硝酸塩濃度を試験薬で調べて一喜一憂するより、
魚の状態を見て、きちんとした換水をしてあげる方がよっぽど重要に感じます。
水温については、23度から27度ぐらいまでであれば、
問題なく飼育できます。
7 ミズタマハゼ飼育の注意点(重要)
ミズタマハゼ飼育に関しての注意点です。
⑴ 底砂を厚く敷きすぎない
これは、長期飼育できている水槽で意外とありがちな落とし穴なのですが、
底砂を厚く引くと、底砂の下部に止水域ができます。
この止水域は水が循環しない場所であり、
水が循環しないという事は酸素の循環もない嫌気水域になります。
嫌気水域は、嫌気性バクテリアが住み着き、
問題なく飼育できている水槽では、
脱窒など良い効果を表してくれる反面、
一度水槽内のバランスが崩れると、
この嫌気水域から硫化水素が発生し、
底砂を掘る習性のあるミズタマハゼがこの底砂を掘り進めることで、
嫌気水域から硫化水素が漏れ出し、
ミズタマハゼだけでなく水槽崩壊の危険性があるため、
底砂を厚く引くことはお勧めしません。
今の海水水槽のシステムであまり底砂を厚く引くことは無いと思うので、
この事故は少ないと思いますが、
初期のベルリンシステムなど底砂を厚く敷くのが基本の飼育方法では、
長期飼育しているほどこの危険性が高まるので、注意が必要です。
⑵ 水流やサンゴの配置場所に気を付ける
これは、ミズタマハゼ自体に対する注意点ではなく、
ミズタマハゼが底砂を食べながら掘り進めることで、
海水中に微細な底砂が舞う事になります。
この舞った微細な底砂は、
有機物などを含んでいるため、
ライブロック上に積もると、
その部分にシアノバクテリアや他のバクテリアフィルムが出来る可能性があります。
ですから、このライブロック上に積もった微細な底砂を吹き飛ばす、
若しくは積もらないようにするために水流は重要になってきます。
さらに、水槽の下層にサンゴを置いてある場合には、
ミズタマハゼが吐き出した砂がサンゴにかかり、
サンゴに悪影響を及ぼす危険もあるので、
ある程度の水流とサンゴの配置場所には気を付ける必要があります。
これ以外にも、予想以上に底砂を掘ってしまい、
ライブロックのレイアウトが崩れる危険性もあるので、
ライブロックの積み方にも注意が必要になります。
⑶ ガラス蓋をする
前にも書きましたが、ハゼに限らず、
魚の飛び出し事故を防ぐためにもガラス蓋は重要になると思います。
⑷ ミズタマハゼの様子をよく見る
ミズタマハゼはベントス食性でいつも底砂をハムハム食べているので、
しっかりと餌を食べているなと思いがちですが、
意外とエラから粒餌を吐き出したりすることがあったり、
ストレスによる拒食などもあったりします。
しかし、普段から底砂を食べている姿を見ているため、
今日も元気だな
と思い特に気にしないでいると、
実は意外と餌を食べておらず、
お腹のあたりが凹んできている場合があるので、
ミズタマハゼの様子をよく見てあげることも重要です。
8 まとめ
ミズタマハゼは病気にも水質の変化にも強い魚であり飼育は簡単ですが、
飼育が簡単ということは、
適当に飼育しても大丈夫という事ではないので、
きちんと魚の様子を見てあげることも大切です。
ミズタマハゼは愛嬌のある顔をして、
口に砂を含んだままサンゴの上をホバリングして、
サンゴにエラから漏れる砂をかけてしまうなどの迷惑行為をすることがありますが、
それもその魚の特徴としてとらえて、
定期的に人の手による水槽の管理をしてあげることが必要なのかもしれませんね。
ただ、面白い魚なので、
飼ったことのない方は飼育してみると面白い発見ができるかもしれません。