みなさんこんにちは。DANです。
今日はいつもの海水水槽関係のブログとはちょっと趣向を変えて、水性生物と言うか自然界での水の循環現象である
琵琶湖の深呼吸
についてブログにしてみたいと思います。
何故このニュースを取り上げたかと言うと、
琵琶湖の深呼吸が3年ぶりに確認されたと言うニュースを見たからです。
大自然の中でもこうやって水の循環が必要なので水槽にような閉鎖環境ではかなり重要になってくるのかなと思いました。
それでは今回のトピックとして、
琵琶湖の深呼吸とは?
深呼吸がないとどんな生物に影響が起こるの?
どうして深呼吸が起きなかったのか?
などを中心にブログにしていきたいと思います。
Contents
1 琵琶湖の深呼吸とは
琵琶湖の深呼吸とは酸素を多く含む表層の水が酸素含有量の少ない深層の水と混ざり合う現象の事です。
オーバーフロー水槽で言えば、スキマーが入っている濾過槽の水が本水槽に入って混ざるのに似てますよね(ちょっと違う)
因みに琵琶湖の深呼吸と呼ばれる全循環が起きないと、湖の深層が低酸素水域になり、生物が生息できなくなってしまいます。
水槽でも特に海水は酸素濃度を維持するのが淡水より難しいと言われており、酸素って重要だなと分かりますよね。だからプロテインスキマーを使ったり、色々工夫してエアレーションしたりします。
例えば炭素源を入れてバクテリアが増えることで、魚が必要とする酸素が低下すれば魚の飼育はままならないですよね。
とまあこんな感じ(どんな感じ?)で自然界でも酸欠が起こることがあるのだなと言う事です。
2 深呼吸がないとどんな生物に影響があるの?
琵琶湖の深呼吸がないと言う事は、つまり深層の酸素濃度が極端に低くなると言うことで、
この影響をモロに受けるのが湖底生物であるイサザやヨコエビの様です。
海水水槽でもヨコエビってリフジウムを作ってたりするといつの間にか沸いてたりしますよね。
このいつの間にか沸く様なヨコエビでも酸素濃度が低い場所では生息できません。
因みに令和2年10月9日の時点では、湖底の酸素濃度が0.5mgとほぼ無酸素状態であり、生きているヨコエビやイサザは確認できなかった様です。(死骸は見つかった様ですが)
つまり、この無酸素状態が続くと底面などの有機物を分解する生物が居なくなり、湖の循環に影響を及ぼしたり、魚の餌が居なくなることで生態系にも影響を及ぼしてしまいます。
3 どうして深呼吸が起きなかったの?
深呼吸と呼ばれる全循環は、冬場の冷え込みで酸素を多く含む表層の水が比重を増し沈むことで、下層の水と混ざり合うことなのですが、近年の温暖化や雪が降らないことによる水の水温低下の足りなさなどが原因と言われています。
そういわれれば、去年の冬は比較的暖かかった様な気がします。
また、冷え込み以外にも水をかき回す様な強風が吹くことでも底面の酸欠は解消できる様ですが、水槽をやっているとわかると思いますが、弱い水流ポンプでは、止水域が出来てしまうことがあるように、
かなり強い風が吹いて水をかき回さないと底の方の水はしっかり混ざらないようです。
確かに水槽の水面を扇風機の強風で煽っても、そこの方の水は循環しませんよね。
琵琶湖のような深い湖の水を循環させるとなるとかなり強い風が必要になるのだと思います。
4 最後に
今日はいつもの海水水槽とはちょっと違ったブログでした。
琵琶湖のような大きな自然の湖でもこう言った無酸素状態が出来てしまうので、水槽での酸欠には注意したいですよね。
海水水槽でも止水域(嫌気層)が出来ることで、うまく運用できれば脱膣などの作用が働きうまく硝酸塩などを水槽外に排出することが出来ますが、
この嫌気域をうまく運用できないと硫化水素が発生して水槽崩壊などの事故が起こることがあります。
ちょっと前の底砂を厚く敷くベルリンシステムなどでは、この硫化水素による事故が多かったように感じます。
今は比較的薄めに底砂を敷くのが多いので硫化水素による事故は少ないかと思いますが、止水域が出来ることで水槽内に淀みが出来てしまい、思いも寄らない事故が起こるかもしれません。
因みに止水域があると有機物が溜まりそこに硫酸還元を行う細菌が発生しやすくなったりします。
底砂が薄いからと言って止水域があったりすると、底砂の表層が嫌気域になりそこから簡単に硫化水素が漏れ出す可能性もあるので、底砂の表面は好気であったほうが(通水性を確保した方が)いいと思います。
ライブロックに中の嫌気域も、ライブロックの表面がキチンと好気状態である必要があるのと同じ原理です。
今回はいつもと違ったブログになりましたが、今後も気になるニュースなどがあれば、ブログにしていきたいと思います。