【海水水槽】失敗しない!初めての海水魚飼育〜その1、綺麗な飼育しやすい海水魚を飼ってみよう

海が無いところに住みながら、もうかれこれ10年以上海水魚飼育をしています。

初めて海水魚を飼育する時は、海水って水に粗塩を溶かせばいいのかな?とか今となってはあり得ないようなことを考えていたのを覚えています。

でもなかなか海水魚飼育ってニッチな趣味なので、説明している書籍とか無いんですよね。

そこで今回は実際に海水魚を飼育してきた経験を踏まえて

初めて海水魚を飼育するにあたり、誰もが通るであろう、

海が近く無いと、海水魚の飼育って難しいのかな?

海水魚飼育って何が必要なんだろう?

道具を揃えるのにいくらぐらいかかるの?

海水魚ってどこで買えるの?

海水魚のメンテナンスはどうするの?

これらの疑問を出来るだけ詳しく、目的別に解説して行こうと思います。

1 海水魚飼育に必要なもの

⑴ まず初めに

海水魚飼育を始めるにあたり、必要なものと題しましたが、その必要なものを揃えるためにも、

自分がなんの海水魚を飼育したいのか?

と言うことを一番初めに考えましょう。

大きく分けると、

  1. 海水魚だけ飼育したい
  2. サンゴだけ飼育したい
  3. 海水魚とサンゴを飼育したい

この3つを最初に考える必要があります。

今回は、ブログのタイトルにある通り、綺麗な飼育しやすい海水魚を飼ってみようと言うことで、1番の海水魚だけの飼育について、説明をしていきたいと思います。

その他の2番や3番の内容については、後日ブログで詳しく書いていこうと思います。

⑵ 飼育する魚を決めよう

それでは、海水魚だけの飼育の場合は、どのような魚を飼育するか決める必要があります。

飼育する魚の種類によって、用意する物も変わってきますので、簡単に魚の種類で難易度を分けていきたいと思います。

飼育が簡単な種類(1群)

デバスズメダイ、シリキルリスズメダイ、ルリスズメダイ、ミツボシクロシズメダイ、カクレクマノミ、クマノミ、ハタタテハゼ、ハタタテネジリンボウ、ミズタマハゼ、オトメハゼ。その他スズメダイ全般、ハゼ類全般

中級者以上向けの種類(2群)

ヘラルドヤッコ、エイブルズピグミーエンゼル、ソメワケヤッコ、シテンヤッコ、ヒフキアイゴ、ハタタテダイ、インドキンギョハナダイ、ケラマハナダイ、アカネハナゴイ、パウダーブルータン、ナンヨウハギ、ハリセンボン、イシガキフグ。小型から中型ヤッコ全般、ハギ類全般、ハナダイ全般

上級者向けの種類(3群)

シマヤッコ、パープルクィーン、ユウゼン、餌付けが難しいチョウチョウウオ全般。イカなどの活き餌が必要な生体。

飼育に注意が必要な種類(4群)

ハコフグ、フグ類、ヒョウモンダコなど毒性を持つ生体。

飼育に特別な環境が必要な種類(5群)

チンアナゴ、ニシキアナゴ、ダンゴウオ、フウセンウオ、アカグツ、フウリュウウオ。厚い底砂が必要だったり、低水温を維持する必要がある深海魚等

このようにざっと思い浮かぶだけでも、この位に分けられます。

難しいと言われる3群の魚は、混泳相手を選んだり、結構大きな水槽が必要だったり、餌付けが難しい魚を選んでいます。

ここでは、1群の飼育の簡単な種類の魚(クマノミ等のスズメダイ)に焦点を絞って解説していきたいと思います。

⑶飼育に必要な道具を揃えよう

ここでは、飼育が簡単な種類の魚を飼育する場合に必要な道具を必需品とあったら便利な種類に分けて説明していきたいと思います。

○ 水槽

水槽は、30センチ以上の大きさのものを選ぶようにしましょう。飼育する魚の数が少なければ、小さな水槽でも大丈夫ですが、管理などが難しくなるので、なるべく水量の多くなる水槽にした方が、メンテナンスなど楽になります。

水量あたりの飼育数の目安ですが、海水魚の場合は、

10リットルで小魚(3センチから5センチ位)1匹

と言われています。1群で上げた飼育がしやすい種類の魚は小魚の部類に属するので、これを目安にして水槽の大きさを選ぶと選びやすいと思います。

つまり、3匹同時に飼育したい場合は、水量が30リットルぐらいの水槽を選ぶといいと言うことです。

水槽選びについては、ガラス水槽とアクリル水槽があり、それぞれメリットデメリットがあります。

ガラス水槽は、キズがつきづらく透明度が高いが、割れる危険性があるし、重量もあってアクリルより値段が高い。

アクリル水槽は、軽くて割れる心配は殆どないが、掃除した時に細かいキズがつきやすく長年使うと鑑賞面で問題が出る可能性がある。

これらのメリット、デメリットを踏まえて、水槽選びをするのが良いかもしれません。

個人的に水槽を選ぶとすれば、ガラス水槽を選びます。何故ガラス水槽を選ぶかと言うと、水槽のコケ掃除をする際に、アクリル水槽の場合は、柔らかいスポンジやメラミンスポンジでコケとりをしたとしても、細かいキズがつきやすいですし、なんといってもスポンジだけでは取れないコケを落とす場合には、スクレーパーを使用するのですが、その際にアクリルだとどうしてもキズがついてしまうからです。

もう一つ水槽選びのポイントは、蓋が付いているかどうかと言う点です。

海水って塩分を含んでいるので、どうしても若干の水分の蒸発による塩ダレが起きてしまうんですよね。

塩ダレは水槽の周りの電化製品などにかなりの悪影響を与えるばかりか、漏電の危険もあります。

また、魚の飛び出し事故防止の為にも蓋はついていた方がいいと思います。

ここでは、1群にいるカクレクマノミ2匹を飼育する事を基準して水槽を選びたいと思います

2匹の魚を飼育するという事なので、水槽は20リットル以上の水量がある水槽を選びます。

具体的な大きさは、30センチキューブ水槽以上の水槽か、45センチ水槽以上の水槽が良いと思います。

このサイズの水槽は、ガラスもアクリルもホームセンターなどで簡単に購入する事ができると思います。値段も3000円以内ぐらいで購入することができます。

○ 水槽台

水槽を用意したら次は、水槽台が必要になります。

もし既に水槽を置くためのスペースが用意されているようであれば、敢えて水槽台を購入する必要はありません。

しかし、30センチキューブ水槽でもその総重量は、27キロを超えるので、しっかりとした作りをした台の上に載せた方が良いです。

また、ガラス水槽の場合は、台の上に直接水槽を置くと、台が凹んだり、水槽の底面がキズついたりするので、きちんと滑り止め付きクッションマットを敷いた方が良いですよ。

仮に柔らかいフローリングの上にマットを敷かずに直接水槽を置きっぱなしにした場合、フローリングが凹んだりすることがあるので注意が必要です。

水槽台に関してですが、後々に、外部濾過やオーバーフロー式の濾過に変更を考えていたり、水槽関連用品を水槽周りに置いておくのに便利なのである程度の高さのある物や、扉が付いているものなどがオススメです。

(注意: オーバーフロー水槽は水槽台にフロー管を通すので、フロー管用の穴の空いた水槽台が必要になります。)

○ 濾過装置

次に海水魚飼育のための必須な用品は、

濾過装置

です。

一口に濾過装置と言っても、

  • 上部濾過
  • 外部濾過
  • 底面濾過
  • 外掛け式
  • オーバーフロー

など数種類の濾過方式があります。

今回は飼育しやすいカクレクマノミを例にとって設備を作っているので、設置の値段が安い順番にそれぞれのメリットデメリットを併せて紹介していきたいと思います。

なお、海水水槽での底面濾過は、飼育上重大な問題を起こす可能性が非常に高いので、今回は除外します。何が重大な問題か簡単に説明すると、

酸欠が起こりやすい

底面にゴミが溜まりすぎて、シアノバクテリアや病気の温床になりやすい

すぐに苔が生えるようになる

水質の改善がやりずらい

などデメリットしか無いので、オススメしません。

オーバーフロー方式は、水量の確保や濾過能力から多く使われている濾過方式ですが、値段が高くつくので、今回は割愛したいと思います。

それでは今回の水槽に使用する濾過方式を順番に説明していきたいと思います。実際に水槽を立ち上げる場合は、この中の一つを選択して貰えば大丈夫です。

① 上部濾過

上部濾過の設置場所は水槽の上になります。

水槽内の水を汲み上げて、フィルターマットやろ材を通して濾過してから水槽内に綺麗な水を戻すという物になります。

上部濾過のメリットとしては、水槽と一体型になっているものが販売されているので、蓋つきだったり、一体感があって綺麗に整っている物が多いという事と、なんといってもメンテナンスが簡単と言う点です。

逆にデメリットとしては、一つ目市販の普通の上部濾過装置では、ろ材を入れるスペースが少ないため、濾過に対する魚のキャパシティが少ないという事です。

じゃあ市販ではなく、ろ材を多く入れられるタイプの上部濾過槽にすれば良いと思いますが、そうすると特注品などが多くなるので、お値段が結構高く付きます。

二つ目のデメリットは上部濾過装置を付けるとライトをつけるスペースが無くなるという点です。

サンゴ飼育をしなかったり、隠日性サンゴのみの飼育であれば、光は要らないので、上部濾過一体型のライトで十分だと思いますが、

好日性サンゴやイソギンチャックの飼育などを後々考えている場合(カクレクマノミとイソギンチャクの共生等)は、上部濾過では対応するサンゴやイソギンチャクに対応するライトの光を照射するスペースがかなり限られてしまうので、飼育に向きません。

これらのメリット・デメリットを踏まえると、上部濾過装置は、今回の題材である飼育しやすい海水魚の飼育の場合には、アリだと思います。

メンテナンスは、定期的にウールマットの交換が必要になります。

② 外部濾過装置

外部濾過濾過装置とは、水槽内にホースなどを用いて、吸水口と排水口を設置して濾過のみを行う大型の濾過槽を水槽外に設置するものです。

この濾過はろ材を多く使用出来ることから、濾過能力は高く、各社からろ材パックの詰め替え用が販売されるなど、使いやすいものになります。

外部濾過のメリットとしては、なんと言っても濾過能力です。

ろ材を多く入れられることから、上部濾過と比べると濾過能力は高くなります。またろ材についても、メーカー推奨のパックになった物が販売されているほか、自分でろ材をカスタマイズして入れることも出来ます。

そのほか、音が非常に静かだったり、水槽内に取水、排水の2本のホースを入れるだけなので外部濾過装置を隠してしまえば、スッキリとすると言うところもメリットになります。

逆にデメリットといえば、外部濾過装置内にデトリタスが溜まりすぎると、コケやシアノバクテリアの温床になる事や水槽内に水流ポンプなどを入れていない場合は、酸欠に陥りやすいという魚にとって重大な問題が発生することがあります。

あとはホースが必要になるので、意外と見た目が良くないという点です。

そのため、外部濾過で飼育する場合は、水流ポンプや水面を動かすような工夫が必要になります。

また、十分な濾過能力を確保するために、対応水量より大きめな外部濾過フィルターを使った方が間違いはないです。

③ 外掛け式フィルター

最後は外掛け式フィルターになります。外掛け式フィルターは、恐らく一番ポピュラーな形で販売されていると思います。

値段も安く手入れも簡単で、水槽に設置する場所をあまり選びません。

ただ、簡単な外掛け式フィルターでも飼育しやすいスズメダイなどは飼育することはできますが、なるべくライブロックなどの濾過を助けるものを入れた方が安定します。

外掛け式フィルターだけでは、結構頻繁な水換えやメンテナンスが必要になります。

外掛け式フィルターのメリットは、安くて設置やメンテナンスが簡単である事です

デメリットは、対応水量が少ない事や濾過能力不足によるこまめなメンテナンスが必要になったり、ライブロックなど補助ろ材が必要になるところです。

また、ライブロック以外にも底砂なども必要になると思います。

外掛け式フィルターで、海水魚飼育の場合にオススメなのが、海道河童や街道達磨です。

これは普通の外掛け式フィルターの他にすごく簡単なプロテインスキマーも搭載されており、海水魚飼育の入門にはとても良い商品で、使っている方も多いと思います。

ただ、壊れやすかったり、スキマーがちょっと煩かったりとデメリットもあるので、その辺りも踏まえて検討してみた方が良いかもしれませんね。

ただ設置は簡単で、実績もある濾過装置なので、スズメダイなど飼育が優しい魚の飼育には十分に能力を発揮すると思います。

また交換用フィルターカートリッジなども売っているので、メンテナンスはしやすいと思います。

海道河童(外掛け式フィルター+プロテインスキマー)

海道達磨(外掛け式プロテインスキマー)

因みに、河童より達磨の方が対応水量は大きいです。

○ 底砂

底砂に関しては、海水魚だけの飼育であれば必ずしも必要なものではありません。

ただ、見た目的にも白いサンゴ砂はあった方が綺麗に見えるので、置く場所のインテリアと併せて検討してみても良いかもしれません。

また、底砂にも硝化バクテリアは住み着くので、濾過の助けになります。

商品として、最初からバクテリアが付着したサンゴ砂なども売っているので、早く立ち上げたい場合はこちらを検討してみるのも良いと思います。

底砂の厚さは、1から2センチ程度で大丈夫です。厚く敷けば、濾過能力に期待ができますが、嫌気(酸素が行き渡らない部分)部分で硫化水素が発生する場合があるので、薄めに敷いておく方が無難だと思います。

サンゴ砂のメリットは、アルカリ性が強い海水を維持するのに役に立つという点です。

水槽の水質の変化により酸性に傾くと、サンゴ砂が溶け出してアルカリ性を保とうとする効果もあります。

参考ですが、サンゴ飼育をする場合はカルシウムなどの微粒元素を補給するためにマメカルサンドなどを使う場合もあります。

○ 人工海水の素

次に絶対に必要になる物として、人工海水の素があります。

色々なメーカーから販売されていますが、値段もピンキリなので、どの人工海水の素が良いのか迷うと思います。

人工海水の素については、ある程度海水魚飼育に慣れてから、色々と必要な微粒元素などを考えてこだわれば良いと思います。

そのため最初にうちは、コスパにも優れており、海水魚からサンゴまで使用できる

インスタントオーシャン

がオススメです。

実際に我が家でも現在使用中ですが、飼育が難しいと言われている魚に飼育や水質に敏感と言われるSPSなどのサンゴ飼育をしていても問題はありません。

SPSの色揚げなどについては、色々と足りない微粒元素はありそうですが、トータルバランス的には非常に優秀な人工海水の素だと思います。

インスタントオーシャンのメリットの一つとして、ものすごく溶けやすいという特徴があります。

溶けにくい人工海水の素はキチンと溶かさないで水槽に入れると、沈殿物が溜まったり、他の微粒元素とイオン結合して、海水に必要な成分を取り出してしまう事もあるので、溶けやすいというのは重要だと思います。

また長期的に飼育する事を考えれば、800リットル用の箱で買っておいた方が、長い目で見た時にお得になります。

800リットル用であれば、大きな水槽で、毎週水換えとかしなければ、1年は持つと思います。

参考ですが、我が家では800リットルを年に3回から4回購入しています。あと、800リットル用は結構重いので届いた時に腰をやらない様に注意が必要です(笑

○ 比重計

人工海水の素を溶かした際にきちんと数値を測るために、比重計が必要になります。慣れてくれば、人工海水を作る場合の量は大体分かるようになりますが、水槽内の水は常に蒸発しており、小さな水槽の場合人工海水の素の量である比重の変化が大きくなります。

特に乾燥している冬場は結構水が蒸発して比重が高くなりがちなので、定期的に比重を測った方がいいと思います。

そこで必要な比重計ですが、フロート式と屈折式の2種類があります。

フロート式は海水を入れてメーターが動くので簡単に測れて値段も手頃と言うメリットがありますが、時間経過とともに数値が狂ってくるというデメリットもあります。

屈折式比重計は、狂わないというメリットがありますが、フロート式と比べてやや値段が高く、フロート式と比重の測り方が違うというデメリットがあります。

どちらも十分に使える比重計なので用途によって使い分けるのが良いと思います。

○ヒーター

海水魚は基本的に23℃から27℃位の水温で生息している魚が多いので、冬場は海水温低下のためヒーターが必要になります。

水槽用ヒーターにも、元々決まった水温まで温まるものとサーモスタッド付きで水温を設定できる物などがあります。

これは飼育する魚の適応水温により選んで下さいください。

ただポイントとしては、適応水量よりやや能力が高めのものを買った方が水温が安定しやすいので、魚へのストレス軽減になります。

○バケツ

バケツは水換えや魚の水合わせなど様々な用途で必要になりますので、100円均一でも買えるので、10リットルくらい入る物が1つはあったほうが良いです。

○灯油ポンプ

灯油ポンプとか来ましたが、使用用途は水換えの時に水槽内の水を取り出すのに必要になります。これも100円均一で購入できます。

あと、普通に底砂掃除も出来る水槽用プロホースなどもあるので、底砂の掃除もしたいと思っている方はこちらを使うのもアリだと思います。

○あったら便利な物

ここからは、飼育がしやすい海水魚には必ずしも必要ではありませんが、あったら便利な物について書いていきたいと思います。

・ 水流ポンプ

自然の海の中では波やウネリが起こっているので、サンゴの飼育などを考える場合には、必ず必要になりますが、飼育がしやすいスズメダイなどには必ずしも必要では無いので、無くても大丈夫です。ただ、外部濾過を使う場合には、水面に水流を起こして溶存酸素を増やす意味でもあった方が良いかもしれません。

・ クーラー

家の中で夏場は室内用クーラーを使用しており、水温が30℃近くまで上がらない場合には、必ずしも必要ないかも知れませんが、水槽の器材が増えれば増えるほど、放出する熱が増えるので、室温より水温の方が高くなりがちなので、クーラーはあったほうが安全に飼育できます。

クーラーにも、扇風機のようなもので気加熱を利用するものや、ペルチェ式のクーラー、コンプレッサーを利用するものなど色々あります。

温度を下げる能力的には、

扇風機→ペルチェ式→コンプレッサー

の順番で能力が上がりますが、能力に比例して値段も高くなるので、飼育しやすい海水魚の場合には、扇風機の様なもので十分だと思います。ただ気加熱を利用するので、水が蒸発するため比重の確認と蒸発した分の水の追加が必要です。

気加熱(扇風機)

ペルチェ式

コンプレッサー式

・プロテインスキマー

プロテインスキマーとは、海水水槽特有の器具なのですが、原理を簡単に説明すると、

かなり細かい泡を作る事で、タンパク質をその泡にくっつけて、アンモニアに変わる前に水槽の外に出してしまおう。

というものです。水槽内の水質を維持するのにとても有効であり、水槽内の水に酸素を溶かすのにもかなり役に立ちます。

ある程度の大きさのプロテインスキマーでないと効果は実感できないかも知れませんが、自然界でも波に含まれる泡が同じ役割をしていることからも有効なことがわかると思います。

実際に我が家で使っているプロテインスキマーについてブログにしたものがあるので気になる方はご覧下さい。

・ライブロック

次にあったら良いものは、ライブロックです。

ライブロックとは読んで字の如く生きている石です。具体的には、多孔質のサンゴの骨格に様々な有用なバクテリアが住み着いており、水槽の水質浄化、濾過に有用です。

簡単な外掛け式フィルターのみの濾過の場合には、水槽のインテリア的にもあった方がグッと海の中の様子に近づきます。

ただ、ライブロックには有用なバクテリアや微小生物だけでなく、中にはカーリーやシャコなど水槽の生物に害になる者も居たりするので、水槽に入れる前にキチンとキュアリングした方が、後々楽になります。

・水温計

水温計も水槽内の水温を確認するためにはあった方が良いものになります。

ただ、昨今では体温を測るために、非接触型体温計を持っている方も多いと思うので、それでも十分に代用できます。

・バクテリア剤

各種販売されているバクテリア剤ですが、水槽立ち上げ初期に使用すると、立ち上がりがやや早くなるので、そういった理由であると便利です。

ただ、無くても水槽の立ち上げは出来るので、必ずしも必要ではありません。ライブロックを入れていれば水槽立ち上げ初期のバクテリア剤はいりません。

・照明

サンゴ飼育等には必須になりますが、今回は飼育しやすい海水魚なので必ずしも設置する必要はありません。見た目的にはあった方がぐっと綺麗になりますので、予算と相談して決めるのが良いと思います。

・スポイト、ピンセット

スポイトとピンセットですが、水槽内に手を入れないで色々と使えるのであった方が便利ですが、色々と代用できるものはあるので、無くても平気です。

ロングスポイトがあるとピンポイントに給餌する際に便利だったりします。

・掃除用具

最後は掃除用具になります。掃除用具はスポンジからスクレーパーまで多種多様にあるので、用途に合ったもの使用してください。

硬い苔がでなければ、普通のスポンジでも十分に綺麗になります。

水槽に手を入れずに掃除したい場合は、フリッパーなどの掃除用具を使うのも良いと思います。

フリッパーのレビューもあるので気になる方はご覧下さい。

⑷水槽を立ち上げよう

海水水槽に必要な道具が全て揃ったら、魚を入れるまであと少しです。

海水魚を購入する前に、水槽の立ち上げを行います。

水槽の立ち上げとは、

水槽内に硝化バクテリアなどを増やす事で、濾過能力を上げて、魚が住めるような環境を作る

という事です。

つまり、新しく作った綺麗な人工海水には、魚の糞などを分解してくれるバクテリアが居ません。その状態で魚を入れてしまうと自分達の糞により発生したアンモニアにより死んでしまいます。

そのため、水槽の立ち上げが必要になります。

ではどのように水槽を立ち上げるか順序立てて解説していきます。

○ 購入してきた水槽を水道水で綺麗に洗います

購入してきた水槽には細かい埃や油などがついていることがあるので、一度水道水でしっかりと洗いましょう。

○水槽台を設置して水槽を置く場所を決める

水槽を洗ったら、水槽を置く場所を決めて、水槽台を設置します。

水槽台を設置したら、水槽を置く場所にクッションマットを敷きます。

○水槽に底砂と海水を入れる

水槽台のマットの上に水槽を置いたら、水槽内に底砂としてサンゴ砂を入れますが、バクテリア付きのサンゴ砂でない場合は、水槽に入れる前に水道水でいいので、お米を研ぐのと同じ要領で洗います。

一度バケツなどにサンゴ砂を取り出してから洗い、白濁りがある程度取れてから、水槽に入れます。

サンゴ砂を敷き終わった後は、人工海水の素を使って海水を作ります。

人工海水の比重は概ね1,023に合うように作ります。

自分が使っているインスタントオーシャンなら、1リットルあたり33gの人工海水を入れると、比重が1,023位になります。

まず水を用意して、人工海水の素を入れるのですが、インスタントオーシャン以外の人工海水の素を使う場合は、塩素中和剤が入っているか確認してから使って下さい。

入っていない場合は、別途塩素中和剤が必要になります。

インスタントオーシャンには、含まれているので、水道水に直接人工海水の素を入れて人工海水を作ります。

人工海水の素を入れる時は、一気にドバッと入れずにサラサラと少しづつかき混ぜながら入れてください。ドバッと入れて底に人工海水の素が溜まると、予期しない化学反応が起きて、必要な成分が出来ないことがあります。

人工海水を作ったら、比重計で比重を測り、1,023くらいであれば水槽に入れます。

水槽に水を入れる時は、底砂の上にビニール袋などを敷いてから入れると、直接底砂に海水が当たらないので、底砂が巻き上がる量が少しマシになります。

○濾過装置、ヒーターを設置

水槽に海水を張ったあとは、購入した濾過装置やヒーターを説明書の通り設置します。

説明書通り設置したあとは、水槽の周りに飛び散った海水をきちんと拭いてから電源を入れます。

濾過装置にもよりますが、濾過を回して多分1時間もすれば、水はほぼ透明になると思います。

ほぼ透明になったあとは、ライブロックなどの装飾品を設置します。

ライブロックを入れる場合は、別途海水を張ったバケツに入れてエアレーションをかけて事前にキュアリングしておきましょう。

全ての設置が終わったら、水槽の蓋があれば蓋をして一旦終了です。

○バクテリア剤などを入れて空回しする

水槽に海水を貼り終わったあとは、バクテリア剤を入れて約1ヶ月ぐらい空回しして、バクテリアの増殖と定着を待ちます。

今回飼育する飼育しやすいスズメダイなどは、2週間くらい経てば大丈夫だと思います。

ライブロックを入れている場合には、ある程度の照明もつけておいて、夜間消した時に、ライブロックからよく分からない微生物が出てくるのを観察できるかも知れません。(運がいいライブロックにはサンゴがついていることもあります)

⑸海水魚を水槽に入れよう

水槽を立ち上げて魚が飼育できる環境になったら、いよいよ水槽に魚を入れましょう。

今回の水槽で、自分がおすすめするのは、

  • カクレクマノミ2匹 スカンクシュリンプ1匹
  • デバスズメダイ3匹
  • ハタタテハゼ2匹
  • ハタタテハゼネジリンボウとランドールピストルシュリンプの共生(ライブロックと底砂厚さ3センチ位あった方が良い)
  • カクレクマノミとミズタマハゼ

などの組み合わせです。ハタタテネジリンボウとランドールピストルシュリンプの共生では、底砂とライブロックの間に巣を作って一緒に生活する様子を観察することが出来ます。

他にもカラフルで綺麗な海水魚はいっぱい居ますので、小型の魚2、3匹位を目安に入れてあげて下さい。

なお、同種では喧嘩する種類もいるので購入前にショップの店員さんに確認してみて下さい。

因みに自分が良く行く海水魚ショップは群馬県高崎市にあるVESSALというショップです。

購入する海水魚が決まったら、一緒に人工飼料を購入しましょう。

間違いないのは、ショップでストックしている際に与えている人工飼料を聞いて購入することです。

もしそれでもわからない場合は、メガバイトレッドなどを与えると嗜好性が高いので食べてくれると思います。

⑹日々のメンテナンス

海水魚飼育の日々のメンテナンスですが、まずは海水魚にご飯をあげましょう。

人工飼料なら1日2回くらいで、2、3分で全て食べ切れる量で大丈夫です。

海水魚もご飯を食べれば排泄するので、それを原料としてコケが生えたり、水質が悪化したりします。

水質悪化についてですが、海水魚の糞を分解する際にアンモニアが発生します。アンモニアは魚にかなり有害な物質です。

水槽内のバクテリアが定着していると、このアンモニアを分解して、亜硝酸塩に変えます。ただ、この亜硝酸塩も魚には有害です。

そのためこの亜硝酸塩を分解するバクテリアも水槽内に定着させる必要があります。そうして亜硝酸塩を硝酸塩に変えると、魚には毒性がかなり少なくなります。

サンゴ飼育などをする場合は、ここから硝酸塩を窒素に変えるバクテリアの定着を狙うのですが、今回目的としている飼育しやすい海水魚の場合には、そこまでの設備は必要ないと思うので、硝酸塩が蓄積した場合は、水換えで対応するのが良いと思います。

また、硝酸塩やリン酸が蓄積すると、これを原料にして苔が生えてきます。

コケも初期では、茶ゴケが生えてきます。茶ゴケは水道水に含まれる珪酸を原料にして生えてくるので、珪酸が無くなれば、勝手に消えていきます。

その後は、リン酸などを原料にして緑色のコケや赤いコケなどが生えてくる状態になるので、苔が嫌な場合は、照明の時間を少なくするなどして対応するのが良いと思います。

具体的には、水換えは週1回全体の20%ぐらいの水換えをして、月に1回程度40%の水換えができればいいと思います。

海水魚飼育道具を賢くお得に購入する方法

海水魚に限らずですが、水槽で飼育しているとなにかと入り用になります。

そしていざショップに必要なものを買いに行こうとした時に売ってないことって結構あるんですよね。

また、近くにショップがない場合などは、どうしてもネットショッピングに頼ると思います。

そして、海水のグッズって結構値段の高いものがあったりするんですが、そんな時に実際自分が安く購入している方法を紹介したいと思います。

それは、ヤフープレミアム会員登録です。

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海水魚飼育をなるべく金銭的な負担なくするには絶対にオススメなので、海水飼育の道具が高いな〜と思っている方は是非一度確認してみてください。

まとめ

今回は、飼育しやすい海水魚について結構細かく飼育を始めるまでブログにしてみました。

海水飼育には、今回説明した以外にも色々と飼育方法などがありますので、次回はサンゴだけ飼育する場合などについて詳しく解説していきたいと思います。

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