【海水水槽】ダンゴウオ稚魚飼育1ヶ月から2ヶ月の間〜稚魚の生存数激減とその対策〜

みなさんこんにちは。

今回はタイトルにもある通り、卵から飼育していた稚魚ダンゴウオの生存数が、この期間に激減してしまいました。

激減した理由について考察もするつもりではありますが、自分自身が思う一番の原因が、

ある程度大きく育ってきて油断した。

ということだと思っています。つまり自分の慢心です。

この期間は、悲しいことに毎日毎日数匹の稚魚ダンゴウオが死んでしまうと言う精神的にもキツい状態でした。

現在はその状態も脱して、日に日に稚魚が死んでしまうと言うことは無く、残った稚魚たちも少し大きくなってきているので、自分が取った対策である程度の結果は得られたのでは無いかと思っています。

あまりダンゴウオの稚魚の飼育をする機会などは無いかもしれませんが、他の海水魚の稚魚飼育にも共通するものがあるかも知れませんので、読んでいただければ幸いです。

これまでの稚魚育成状況については、こちらをご覧下さい。

と言うわけで今回のブログのトピックとしては、

・ ダンゴウオ稚魚の2ヶ月目までの様子

・ 稚魚生存数激減で取った対策

・ 現在の稚魚ケースの状況

を中心として書いていきたいと思います。

1 ダンゴウオ稚魚の2ヶ月目までの様子

まずは、ダンゴウオ稚魚ケースの1ヶ月経過後から2ヶ月経過までの様子について書いていこうと思います。

正直言って1ヶ月が経過して、ダンゴウオ稚魚から天使の輪が消える頃までは、

上手くいってるなぁ〜

って思っていました。

それと言うのも稚魚の数が減ることなく、順調に稚魚が成長してきていると実感出来たり、稚魚それぞれに色々な体色が出てきたりと日々の観察を通じて確認できていたからでした。

ところがどっこい、確かちょうど孵化から7週目が経過してきた頃に変化が起きたのです。

今自分の過去を振り返っても慢心してたな〜って思います。

実際に稚魚ケースに起こった出来事というのが、明らかに、ある程度大きくなったダンゴウオ稚魚が稚魚ケースの底面で死んでいるのを見つけてからです。

具体的には、7週目ぐらい経過した頃ですが、稚魚ケースを確認すると底面の端っこの方に3匹くらいの稚魚が死んでいるのを確認しました。

この時に気がついていれば、生存数激減などと言う事にはならなかったと思うのですが、その時は、

まあ、稚魚だし人工飼育だと個体差があって全部100%成魚まで成長させるのは難しいのかなとか思っていたんです。

本当にこの頃に戻れるなら、自分に言ってやりたい。

アホかと

だって、一番難しいと思われる孵化から1ヶ月までは特に問題なく成長していたのが、1日で複数匹死んでしまっていると言うのは、明らかに異常事態だったからです。

でもこの時の自分は、自分に甘いほうに考えてなんの対策もしなかったんですよね。

後悔しかありません。

そうして、話は戻しますが、数匹の稚魚が死んでいるのを確認した翌日も再び複数匹の稚魚が死んでいるのを確認したのです。

流石に、2日連続で複数匹が死んでしまうのはおかしいと思いました。

そこで考えたのが、稚魚の成長に伴う排泄物の増加による水質悪化です。

そこで、稚魚ケースの底面からスポイトでゴミを取ることにしました。

ただ、この時に掃除したのは、稚魚ケース内に入れてあったオブジェを避けての掃除だったのです。

つまり、水槽内に入れてあったヒオウギガイの貝殻などは動かさず、その周りだけを掃除すると言うなんともいい加減な掃除方法でした。

そうして、ある程度の掃除が終わって、翌日稚魚ケースを見ると再び複数匹が死んでいるのを確認しました。

こうなるともう焦りますよね。

そこで自分が撮った方針は、まず稚魚ケースの観察でした。

隅々まで観察して、過去の稚魚ケース内と今の稚魚ケース内の状況を比べたりしていたところ、ひとつだけ違いを見つけたのです。

それは、

普段乗っているヒオウギガイの上にダンゴウオの稚魚が1匹も乗っていないと言う事でした。

この変化に気がついてから、ヒオウギガイを取り出して見ると、

ヒオウギガイが置いてあった場所の下には、

大量のゴミなどが溜まっていました。

稚魚ケースを下から覗き込んでいれば気がついたかもしれませんが、なぜかこの時確認しなかったんですよね。

そして取り出したヒオウギガイの貝殻をブラシを使って水洗いすると、

それはもうビックリするほどヌメヌメしてたんですよね。

つまりダンゴウオの排泄物や餌として与えていたブラインシュリンプが死んで溜まっていた所を分解するためにバクテリアが発生して、バイオフィルムを形成し、アンモニアを発生させていたんですよね。

それはもう、いくら本水槽と連結しているとは言え、小さな穴が一つ空いているだけでは、とてもではありませんがアンモニアをすぐに亜硝酸や硝酸に分解できなかったのだと思います。

そうして気がついて対策した所で時すでに遅しであり、恐らく都合50匹ぐらいの稚魚が死んでしまうと言う事態になってしまいました。

この毎日稚魚が死んでいってしまうときは、本当に色々考えました。

ブラインシュリンプの未孵化卵が混入して、それを食べてしまったことが原因じゃないかとか、

ブラインシュリンプの栄養強化不足で、栄養失調を起こして死んでしまったのでは無いかとか。

これらについても色々と対策を施して、見直しを加えました。しかし、今回の事の一番の原因は、ヒオウギガイの貝殻の下にあったと思っています。

今はなんとか持ち直していますが、あの時は毎日が気が気じゃありませんでした。

次の項では具体的に取った対策の詳細については書いていこうと思います。

2 稚魚生存数激減で取った対策

ここからは、次々に死んでしまう稚魚を減らすために色々と観察したり、自分の今までの経験を活かしつつ試行錯誤してみた結果になります。

このほかにも色々とやれることはあると思いますが、我が家では取り敢えずこれらの対策を講じることで、ある一定の成果を得られました。

それでは具体的な対策は以下の通りになります。

⑴水替え頻度をあげる

まず、自分が取った対策というのが、水替え頻度を上げると言う方法です。

具体的にどのくらいの量の水換えをしたかと言うと、

稚魚ケースの全水量が概ね2リットルですが、1日で2リットル全ての水を入れ替えると言う方法をとりました。

ただし、全部の水を丸々取り替えると言う方法ではなく、10回位に分けて2リットルを交換すると言う方法になります。

では、この水換えでどの程度の効果が見られたかと言うと、

正直な所、大きな効果は見られませんでした。

では、水換えは意味がないのかと言うとそう言うわけではないと思います。

ではなぜかと言うと、我が家は稚魚ケースをメイン水槽内に設置すると言うタイプで飼育していました。

つまり、

・稚魚ケース内に濾材が何も無い

・水流が殆ど無い

と言う2つのマイナス要因が有ったのです。

稚魚ケース内に濾材が無いという事は、食べ残しや排泄物が発生した際に、分解して無害化するバクテリアがほぼ居ないと言うことです。

確かに稚魚ケースの一部分に小さな穴が空いており少ない量ですが、常に濾過がしっかり立ち上がっているメイン水槽と繋がってはいました。

しかし、この一部分の穴だけでは、稚魚ケース内の海水を循環できていなかったため、折角立ち上がっていたメイン水槽の濾過の恩恵を受ける事が出来なくなってしまったのです。

そして、これは、水流が殆ど無いと言うことと繋がるのですが、水流が無ければ、メイン水槽内の海水との循環が起こらず、更に有機物がそのまま稚魚ケース内に残ることになります。

有機物が流されず残るということは、バクテリアによる分解の過程でアンモニアや亜硝酸塩など魚に有害な物質が流されず、稚魚ケース内に滞留する事になります。

こう言った事により、稚魚が弱ってしまったのだと考えられました。

常にメイン水槽内の水と入れ替わる様なシステムであれば、ここまで急激に死んでしまうことは無かったのでは無いかと今は後悔しています。

常に水が循環していれば、恐らく水換えの量は、1時間に500mlの循環だとしても、1日で6回水が全て入れ替わる事になります。

つまり水換えの量も全然少なかったと思いました。

例え話ですが、500mlのコップを満水にして、絵の具を入れて、そのコップに更に500mlの水を追加した場合は、数字的には全部の水が入れ替わっていますが、コップの水は透明になりません。

このように全部の水を一度に交換しなければ、全量換水とはなりません。

そんな感じで水換えだけでは対応しきれないと思い、次の方法を取る事にしました。

⑵稚魚ケース底面の徹底掃除

水換えとほぼ同時に取った方策は、スポイトで稚魚ケース底面のゴミを吸い取るという方法です。

こうしてスポイトでごみ取りをしてみるとやっぱり結構な量のゴミが溜まっているんですよね。

この時に使用するスポイトもなるべく水槽用の大きなスポイトを使った方が手間が掛からなくて良いかもしれません。

そしてこの時我が家の稚魚ケース内には、ダンゴウオ稚魚が外部的な要因で、色が変わるか実験するためにヒオウギガイの貝殻など色々な物を入れていたのです。

しかしなぜか自分はこの貝殻を動かして掃除したり、貝殻の上の部分の掃除をしなかったんですね。

今考えればこれが原因とわかるのですが、それによって止水域が出来てしまい、特に貝殻の下の部分は完全に止水域になってしまったため、そこにゴミが溜まり、アンモニアが発生して稚魚がしんでしまったのだと思います。

⑶稚魚ケース内のオブジェクトの撤去

上の項で書いたとおり、稚魚ケース内には色々入っていた事で、水換えや簡単な掃除をしても状況が改善されなかったとここで気がつき、慌てて全てのオブジェを取り出して水洗いしました。

取り出したヒオウギガイの貝殻にはもちろんヌメヌメした膜が張っており、明らかに水質悪化の原因の一端を作ったことがわかったほか、ヒオウギガイがあった場所の下には、ゴミが大量に溜まっていた事などがあり、慌ててこのゴミもスポイトで取り出しました。

ここで感じたことは、

オブジェを入れる場合は底面とオブジェ底面がしっかりと密接している状態でないと、オブジェの下にゴミが溜まって、掃除がやり辛くなり、結果として水質悪化を招くと感じたことです。

ここまで対策してしっかりと掃除と水換えを行った所、次々と稚魚が死んでしまうと言う状況は止まりました。

⑷餌やり方法の変更

稚魚が次々しんでしまうという状況からは脱したのですが、それでもこれから食べる量も多くなり、その分排泄物も多くなるので、少しでも無駄な有機物を省くために、餌として与えていたブラインシュリンプをきちんとネットで濾してから与えるようにしました。

これまでは、海水水槽には無害な海産クロレラを同時に投入していたのですが、少しでも無駄なゴミを除くために、ブラインシュリンプのみの給餌に変更したのです。

そのほか、スペシャル栄養強化剤では、多少のゴミが発生するため、そのゴミもしっかりと取り除いてから与えるようにしました。

3現在の稚魚ケースの状況

上記のような対応をとった事で、これまでバタバタとしんでしまっていた稚魚たちは殆ど落ちることが無くなりました。

現在は適度な水換えと掃除を毎日行い、死水域が出来やすく、ゴミが下に溜まりやすいヒオウギガイは撤去して飼育しています。

そうして今回の一連の騒動は終了し、今は残ったダンゴウオ稚魚が少しづつ大きく成長してきました。

4まとめ

稚魚を飼育する水槽は、何か物を入れる場合には底面と物の間に隙間がない物を選ぶ必要がある事と大きくなってきてからは、こまめな掃除と水替えが必要だと感じました。

大きくなってきたとはいえ、まだまだメイン水槽に放流するには小さいので、せめて1センチくらいになるまでは、稚魚ケースで飼育したいと思っています。

今回は色々失敗について書いてきましたが、次は稚魚が良い感じに大きくなってきたので、そろそろ冷凍餌や人工餌への餌付けが必要になりそうです。それで今度は冷凍餌と人工餌の餌付けに挑戦していきたいと思います。

取り敢えず予告として、冷凍餌は

冷凍コペポーダ

人工餌はすり潰したメガバイトレッド

を考えています。

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